詩1 いのちからがら
by:sos-ei on:12/11 04:08 2009
いらないって言うのに
軽くて荷物にならないからって
無理やり押し付けられた
カラ元気だが
持ち歩いているうちに
だんだん重くなってきた
いつ捨てよう何処へすてようと思いながら
階段を上っていったら
何故か急に段が低くなっていて
カラ足を踏んだ拍子に転んでしまった
態勢を直そうとしたら却ってバランスを失い
後ろ向きに階段を転げ落ちてしまった
はじめはゆっくりだったが
いつの間にか加速がついて
いつまでも止まらない
おまけに後頭部でも撲ったのか
視界が真っ暗になってしまった
終点はまだなのか
どこまで転げれば気が済むのだ
カラ出張がばれたくらいのことで
そんなに嘆くことはないだろう
この轟音はいつもの地下鉄の子守唄だ
ブラームスかモーツアルトかシューベルトか
ちがうちがう
落ちてゆくのはこの俺だ
眠りに落ちているのはこの俺だ
起きなければ・・立ち上がらねば・・
へたをするとカラ手形を掴まされるぞ
こんな所でいつまでも
カラまわりなどしてられない
喉もカラカラになってきたぞ
そうだあのカラ元気はどこへいったんだ
先ずはあいつを捕まえることが先決だ
そうすれば
取敢えずなんとかなるかもしれない