昨日街中の人が吐いた溜息が濃い霧になって漂っています
お嬢さん、こんな夜の一人歩きは無謀というもの
さあ、遠慮はいりません 僕の腕のなかにお入りなさい
そうです これであなたはもう安心
僕の胸にそのあどけない顔を埋めてゆっくりお休み
そうです それでいいのです
僕の胸の中であなたの夢はゆっくり溶けて現実に目覚めるのです
現実の僕の胸で目覚めるのです そして、あなたは永遠に僕のもの
真っ白い体になって 氷のように冷たくなって
だから、こんな夜の一人歩きは無謀というもの
お嬢さん、あなたは一人ぼっちではいられないのだから