詩33　怖い

みんな怖がっている

老若男女亡霊を見てみんな震えあがっている

闇雲に突撃し挙句の果ては絶叫して逃げ惑う

秩序も伝統も破壊し尽くされて闖入者に蹂躙される

そんな日をみんな怖がっている

ススキの原がセイタカアワダチソウに占領され

鯉や鮒はブラックバスやブルーギルの餌食となった

みんな怖がっているくせに声にも出せないのか

霧のように忍び寄るものが恐怖でないというなら

怖いものなど何もない

怖いのはその神経そのものだ

怖いなら怖いなりに身構えなければならない

立ち上がらなければならない

怖いなら