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詩98 事務屋の腹切り

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bysos-ei  on9/19 02:37 2010

切腹することになった。気がすすまないが、既に決まっ たことなので仕方がない。伯父の屋敷の離れで腹を切る ことになっているらしい。真新しい部屋だ。ここを血で 汚すことになってしまって全く申し訳ない。何故か俺に は6人の部下がいて、彼らも連座してやはり腹を切らな ければいけないらしい。介錯は誰がするのだろう。介錯 人が7人もいるわけは無いだろう。2人くらいはいるの だろうか。刀は何本使うのだろう。一人斬っても刃こぼ れするだろうから、少なくとも3本は必要だろう。結構 物入りだな。この緊縮財政下で・・。あ、そうだ、部下 に話しておかなければ・・。いいか、お前たち、一応ラ ッキーなことに介錯人がつくらしい。だから、腹は一文 字に軽く薄皮一枚だけを切るんだぞ。深く差し込んだら 、三島由紀夫みたいに何回もゴシゴシやられるぞ。あま り前屈みになってもいけないんだ。介錯人の身にもなっ てやらなければいけない。人生最後の作業だから、みん な恙無くやろう。いいな、抜かりのないようにな。ふう む・・それにしても、やはり、なんとなく気がすすまん 。でも、仕方がないか、逃げる方法も見つからんのだか らな。

 

 

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